蓮華台とは

 墓石のことについてご説明させて頂いていると、「蓮華台って何のためにあるの?」と、たまにご質問頂きます。また、「田舎の親戚から、蓮華台を付けるとお墓としての格が上がると聞いたけど?」と言われる方もいらっしゃいました。これを付けることによって墓石全体の高さが高くなる⇒つまりお墓が立派になる、ということなのでしょう。これも蓮華台をお付けになる理由の一つではありますが、全てではありません。では、蓮華台とは何なのでしょうか?

蓮華台 霊園

 蓮華つまりハスの花は、仏教と非常に縁が深いお花です。蓮華座のある仏像や、ハスの花が描かれた仏画を見たことはございませんでしょうか?お釈迦様がハスの花の上で天地を指さしている絵があったり、奈良の大仏様なんかも大きい蓮華座の上に鎮座されています。

蓮華座 霊園

 それはなぜかと申しますと、ハスの花が仏教の象徴とされているからです。レンコンの収穫などでも見られるように、ハスは泥地に生える植物です。「泥地から生まれ、泥の中にあるのに泥にまみれず、地上に清浄な美しい花を咲かせる」様子が、「ドロドロした煩悩にまみれたこの世にあって、欲望など汚いものに染まらず清浄な心を宿す」という仏教の教えに合致しているということなんですね。

蓮華 仏教 墓地

 お墓で言う蓮華台は、お魂が宿るとされている棹石(仏石)を乗せている格好になります。蓮華から下が泥、つまり煩悩・迷いの世界、蓮華から上が仏・悟りの世界を表し、お亡くなりになられた方のご成仏や浄土への往生を願うものとされています。蓮華台を付けられ、「これで無事お浄土に連れて行ってもらえるわ」とお喜びの方もいらっしゃいました。

 余談ですが、「台無し」という言葉の語源は、この蓮華台にあるそうです。せっかくの仏像が、蓮華の台座が無いと威厳もなくなる、という様子を「台無し」と言うようになったとか。

 ご先祖様や故人様をお祀りする大切なお墓ですから、せっかく建てられたお墓が台無しにならないよう、我々も霊園の管理など気を付けたいと思います。

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