今回は『数珠(じゅず)』について少しお話ししたいと思います。
お葬式やお墓でのご納骨法要などで手にする数珠ですが、本来どのような意味があるのでしょうか?
元々は、念仏や真言を唱えるときに回数を数えるために使われたのが数珠のルーツだと言われています。
しだいに各宗派に広まって仏教徒のシンボルとなり、合掌して仏を拝んだり念仏を唱える際に手にかけて使われるようになりました。
その数珠の玉の正式な数は108個とされています。
どこかで聞いたような数ですね?
そう、大晦日の除夜の鐘も108つです。意味も同じで、人間の煩悩の数です。
「数珠を繰(く)る」という表現がある様に、数珠の玉をひとつひとつ繰りながら仏を念じて、心の中の煩悩を消してゆくのだそうです。
ある経典では「煩悩を払おうと思えば、常に数珠を身につけて、真心から仏の御名を唱えなさい」と説かれていますが、どうやらもっと簡易に、数珠を持っているだけで功徳を得られる一種の護符のような役割も期待されていたようです。
ただ現代では宗派によって様式の違いはありますが、玉の個数を半数または4分の1に減らした略式数珠を持つことが多くなっています。