六曜について

お墓のご相談の中で、仏事、祭事を行う際に日取りを気にされる方もたくさんいらっしゃいます。またお墓に関わらず、結婚式場など日取りによって費用が違うなんてこともあるそうです。それには普段何気なく使っている「大安」「仏滅」などの「六曜」(ろくよう・りくよう)が関係しております。まずは日常の生活の中でもついつい気にしてしまう六曜とはどういうものなのかご説明させて頂きます。

六曜とは先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種のことで、1箇月(≒30日)を5等分して6日(30÷5 = 6)を一定の周期とし、それぞれの日を星ごとに区別するための単位として使われ、七曜(火星・水星・木星・金星・土星・太陽・月)のような使い方をされていたと考えられています。

鎌倉時代から室町時代にかけて中国から日本に伝来したと言われており、江戸時代末期から庶民の暦に記載され始めたようです。明治時代には六曜は「吉凶付きの暦注は迷信である」ということから政府に禁止されますが、第二次世界大戦以降になると国民の間に広く普及しました。

今日では、主に六曜は冠婚葬祭などの儀式と結び付けて解釈されることが多く、結婚式は大安に行うと良い、お葬式は友引を避ける、仏事は仏滅を避けるなどよく耳にします。

そもそも六曜とは誰がどのような目的で作ったのかも含め不明な点も多く、三国時代に諸葛亮が発案し、軍略として使われていたとの俗説もあるようですが、各六曜にはその日の吉凶や運勢が定められており、その内容は勝負事に関するものが多く、縁起を担ぐ意味合いが多いことから、元々は賭場で賭け事をする人達の間で用いられ出したものではないかと考えられているようです。要するに、古代中国から伝わった「勝負ごとに対する吉凶占い」というのが有力な説のようです。

そのため、一般的なカレンダーでは六曜を見かけますが、行政をはじめとする公共機関が発行するカレンダーに六曜は記載されないそうです。

寺社と六曜の関係について

一般的には寺社の仏事・祭事と六曜とは何の関係もないようです。そもそも仏事に関して言えば、お釈迦様は占いを禁じていらっしゃいますし、浄土真宗では親鸞聖人が「日の吉凶を選ぶことはよくない」と特に否定的に捉えておられます。

また、六曜のひとつの「仏滅」という言葉は、その名の通り「仏も滅するような大凶日」との意味で用いられ解釈されていますが、元は「空亡」「虚亡」と言い、全てが虚しいという解釈から「物滅」と呼ぶようになり、近年になって「仏」の字が当てられただけのようです。ですので、仏滅だからお参りに行かない、またはお祭りを控えるという必要はありません。皆様が気持ちよく参拝し、心を込めて仏事、祭事を行うということが一番大切だと思います。

六曜がたくさんの人々の中に根付いており、生活習慣として使われているのも事実です。多くの方が気にされている六曜を無視することはできないことも存じております。ただ、お客様にアドバイスをさせて頂く側として、本来は仏事、祭事を六曜と結び付ける必要はないという意見を述べさせて頂きました。

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