納骨式での法話

 とあるお寺様がご納骨式にされていたお話がとても良かったので、今回はその法話をご紹介させて頂きます。

 故人様のご遺骨というのは、故人様の生きた証、形見でございます。ですが、それ以上の形見は、そのご遺骨を拾われた皆様方なのです。(亡くなられた)お父様が「お父さん」と呼ばれるのはお子様がいらっしゃるからであり、同様にお孫様がいらっしゃるからこそ、お爺様となれたのです。つまり、皆様がいらっしゃるからこそ、この方はこの方たり得た訳です。

 お墓とは、「墓碑」の名の通り、生きた証であるご遺骨を納める人生の記念碑にあたりますが、「お墓」はそれだけでは成り立たないのです。ピラミッドや古墳がそうであるように、立派なだけではお墓として成り立ちません。故人様の人生を成り立たせ、人生の続きを受け取られたご遺族の皆様が、墓碑の前で故人様を偲ばれるその時、ご遺骨を納めた墓碑は初めて本当の意味でお墓として成り立つものだと存じます。

 つきましては、故人様の生きた証であるご遺族の皆様のご多幸こそが、故人様の願いであり、一番の供養にあたるかと存じます。コロナ禍で大変だと思いますが、ご体調に充分留意され、日々ご健康にお暮しください。

 合掌

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